博物館訪問備忘録

博物館訪問の記録です。更新頻度は低めです。

木田金次郎美術館

 バスターミナルすぐそばにある白い外観をした美術館。岩内出身の画家、木田金次郎の作品を展示している。

 

 木田金次郎の作品を展示する展示室が二つ、特別展示室が一つある。大きな美術館というわけではないが狭い印象はそれほど受けない。展示室内の椅子に座ってゆっくり作品を鑑賞できる。

 

 「うまくなったでしょう?これからもっとうまくなりますよ」(うろ覚え…)という画家自身の言葉がある。この言葉通り、同じ対象でも描き方が変化して行く様子がよくわかる。こういうところが一人の画家に焦点あてた展示の強み。

 

 訪問時は藤倉英幸の作品展が行われていた。JRの車内誌の表紙を描いている人である。岩内町出身なのだとか。初めて知った。千切られた紙の毛羽立ちが作品の柔らかい雰囲気に貢献しているなあ…という感想を持った。印刷物になると細部はよく分からなくなる。じっくり観られてよかった。

 

 鑑賞後、美術館を出てすぐ近くの港へ。海の向こうには泊が見え、振り返るとニセコの山々。木田金次郎がモデルとした自然や港町を眺めることができる。ホワイトキューブな大きな美術館で絵を観ることも多いけれど、モデルになった土地で作品を観ることができるのは幸せなことだと思う。

 

 訪問の際は、事前に『生れ出ずる悩み』を読むことを推奨。木田金次郎をモデルにしており、岩内の町も登場する。