木田金次郎美術館
バスターミナルすぐそばにある白い外観をした美術館。岩内出身の画家、木田金次郎の作品を展示している。
木田金次郎の作品を展示する展示室が二つ、特別展示室が一つある。大きな美術館というわけではないが狭い印象はそれほど受けない。展示室内の椅子に座ってゆっくり作品を鑑賞できる。
「うまくなったでしょう?これからもっとうまくなりますよ」(うろ覚え…)という画家自身の言葉がある。この言葉通り、同じ対象でも描き方が変化して行く様子がよくわかる。こういうところが一人の画家に焦点あてた展示の強み。
訪問時は藤倉英幸の作品展が行われていた。JRの車内誌の表紙を描いている人である。岩内町出身なのだとか。初めて知った。千切られた紙の毛羽立ちが作品の柔らかい雰囲気に貢献しているなあ…という感想を持った。印刷物になると細部はよく分からなくなる。じっくり観られてよかった。
鑑賞後、美術館を出てすぐ近くの港へ。海の向こうには泊が見え、振り返るとニセコの山々。木田金次郎がモデルとした自然や港町を眺めることができる。ホワイトキューブな大きな美術館で絵を観ることも多いけれど、モデルになった土地で作品を観ることができるのは幸せなことだと思う。
訪問の際は、事前に『生れ出ずる悩み』を読むことを推奨。木田金次郎をモデルにしており、岩内の町も登場する。
岩内町郷土館
名前:岩内郷土館
設立:1971年
料金:大人なら町民100円、町民以外は200円
開館:9時から17時
月曜(祝日の場合は翌日) 12月から翌年3月 は休館
札幌から2時間半で岩内バスターミナルに到着。カモメの鳴き声がする。海の匂いがする。港町に着いたなあ…と実感。
バスターミナルから1km歩くと岩内町郷土館に着く。町の歴史文化や自然をテーマとする郷土資料館である。
特別展示室と常設展示室のある1階と、収蔵展示(というか収蔵庫)のある2階から成る。古代から現代までの町の歴史を展示する形をとるが、ニシン漁関連に割かれるスペースが大きめである。ニシン漁で栄えた岩内町の歴史を考えればそれも当然かもしれない。館長によれば、岩内町のニシン漁の親方の持っていた資産は、鰊御殿で有名な青山家を凌ぐのだとか。
このほか岩内ゆかりの文芸の展示も見ることができる。夏目漱石が岩内町に籍を置いていたことは知る人ぞ知る事実だが、それに関する展示もある。
よく見ると展示室の数か所に、郷土館の展示品を紹介した新聞記事のコピーが置いてある。また地元中学校・高校の職場体験の成果物も貼ってある。Facebookもきちんと更新されている点も含め、利用促進や学校連携、情報発信に努力しているようだ。施設自体も明るく綺麗で、運営されているぱとりあ岩内さんの気概を感じる。
解説もかなり充実しており(ちょっと長すぎて疲れるくらい)、予想より長く滞在した。
…飢餓海峡、読んでみるかなあ。
当ブログについて
こんにちは。海路と申します。
当ブログは「博物館見学録」です。
海路が訪れた博物館や展覧会の基本情報や感想をメモしておく場所となっています。
その性格上読み物として優秀であるとは言えませんが、何かの参考になれば幸いです。